手書きすることで生まれる5つのパワー

アメリカの45の州で、来年から「小学校では筆記体を教えることは必修にしない」とこの春決まりました。代わりに四年生になるまでに、パソコンのキーボードがちゃんと打てるように指導するのです。

これを受けて、このまま手書きが消滅してしまうのではないかという論争がアメリカを中心に起こっています。

確かに、パソコンが身近になってから紙に手書きで文字を書くことがめっきり減りましたね。私も手紙や葉書を書くかわりにEメールですましがちです。

手書きはそう簡単になくなりはしないでしょうが、手で字を書く楽しみを子どもたちにちゃんと教えてあげなければいけないな、と思います。

私は毎日けっこうな文字をキーボードでタイプしていますが、実はそれ以上に、よくものを手で書いています。

フランス語愛好家という名でブログを書いていますが、手書き愛好家と呼んだほうがふさわしいかもしれません。

筆圧が高いため、小学校3年生のときから右手の中指に大きなペンだこがあります。

手書きは脳の前頭葉を刺激し、脳細部を増殖させるからボケ防止にいいと言われます。でも、私はべつに脳トレのために手書きをしているわけではありません。

それは単純に楽しいから。そして手書きにパワーがあるからです。

きょうは私の思う5つの手書きのパワーをお伝えします。

1.手軽である
2.時を超える
3.やすらげる
4.創造できる
5.愛を育める

では、順番に説明しますね。

1.手軽である

紙と鉛筆さえあれば、どこでもすぐに書けるのが手書きの大きな魅力です。複雑な線も形も、好きな角度で自由自在。どんなにソフトウエアの機能が進んでも、この手軽さには勝てないでしょう。思い立ったときが、さらさら書く時。もちろん電池切れの心配もなし。

2.時を超える

一人一人の顔が違うように、筆跡も千差万別です。昔なじみの友達から、手書きの葉書をもらえば、相変わらずの文字を見るだけで、すぐに懐かしい気持ちでいっぱいになります。

3.やすらげる

私は紙の手ざわりが好きです。ノートをぱらぱらさせてみたり、めくって自分の文字を眺めてみたり、そんな特に意味のないことをしているあいだに、なんだかとっても気持ちが落ち着きます。

4.創造できる

実は毎日のように「きょうはブログに、何にもおもしろいこと書けそうにないな~」と思っています。そんな時、ノートに言葉の切れ端を書きつけながら考えていると、なぜかアイデアがアイデアを呼び、数分後には「けっこうおもしろいかも」という記事の構成が1本できあがっています。

5.愛を育める

娘が小さいとき、彼女の文字を書く練習もかねて、家の中で手紙を交換していました。私が文を十個書くあいだに、むこうは一つだけ。でもそのかわいい字から、考え考え書いている様子がわかります。けんかした時は、手紙であやまってくれ、口で言うより気持ちが伝わりました。
こんなにパワフルな手書きの楽しみを子どもたちから奪ってしまうのは、茶色い地面の公園に、コンクリートを流すようなものではないでしょうか?

私の父は金釘流のとても癖のある字で、しかし丁寧に、毎晩ちゃぶ台で、金銭出納帳をつけていました。

勤勉で細かい性格だったので、本当に毎日、喫茶店で飲んでいるコーヒー、好きなハイライト(タバコ)、たまに買っていたおまんじゅうの値段まできっちり書いていました。

43歳のとき、父は突然事故で亡くなりました。若かったので、遺言も何もありません。でも、同じメーカーの金銭出納帳が何冊も残っており、すべてが父の癖のある字で埋まっていました。

最後の一冊は途中書きです。残された家族がこれを見て涙したのは言うまでもありません。

これがエクセルによるスプレッドシートだったら、私たちはそんなものがあることにすらきっと気づいていなかったでしょう。

記事提供元サイト:フランス語の扉を開こう~ペンギンと

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